『新規開催をお考えの方』へ向けた記事(後編)となっています。
前編では、札幌圏のCS開催の歴史、実情、どのように主催者間で連絡調整を行っているか等を解説いたしました。まだお読みになられていない方は是非ご覧いただけますと幸いです。
後編では、大会申請に纏わるより踏み込んだ話を解説いたします。おまけとしてCS開催に纏わる私の考えや体験談を一番下に記載いたしております。
~大会申請 準備編~
①大会協賛店舗を探す
CSを開催する為には、公認店舗から協賛をいただき店舗からDM事務局へ大会申請を行う必要があります。
便宜上「個人主催」と「店舗主催」といったように区分けされることが多いですが、主催者が店舗所属か否かといった違いであり、どちらにしても協賛店舗の存在は必須になります。
私の場合は個人主催に分類されますが、CSを開催するにあたりお世話になっている店舗の店主へ相談しCSを定期開催させていただいています。
店舗との交渉の際は、一方的なお願いにはならず、店舗にとってどのようなメリットがあるかを説明することが必要でしょう。
また『自分は店舗の名前を貸してもらっている』という意識を持って責任のある対応が求められると思っています。新規開催される方はそれを念頭に置いて活動できると良いでしょう。
②大会を企画する
協賛店舗が見付かった後は、大会開催内容を企画する必要があります。定期開催に慣れるまでは特に重要なプロセスです。
企画の中で事前に決める必要のある要素
(1)日時の調整
(2)会場の確保
(3)認定ジャッジへの依頼
(1)日時の調整について
前編でも解説した通り他の大会との連携が重要になります。
日によってはDM公式でCSの競合となり得るイベントを開催している場合もあります。
(例)GP、超CS、ドギラゴン剣解禁祭等のプロモカードが豪華なイベント等…
それらを考慮した上で日程を決めていく必要があります。
予約を検討している会場の空き状況次第では望んだ日付で大会を開催できない可能性も十分にあり得ますので日時と会場は複数候補があると良いでしょう。
(2)会場について
店舗の対戦スペースを借りるoレンタルスペースを借りる必要があります。
十分な対戦スペースを確保できている店舗が協賛店であればそのまま店舗を利用させていただけると良いのですが、店舗ではその他のカードゲームの大会が開かれていたり、一般のお客様がフリー対戦として使用されていることも多いので、必ず店舗と詳細な打ち合わせを行った上でスペースの利用をお願いしましょう。
レンタルスペースについては、札幌市内であれば区民センター、ちえりあ、産業振興センター等の大型施設がメジャーな選択肢になります。北海道外にはなりますが、過去にはカラオケ店でのCSが承認されたケースが存在するようですので広めのスペースを構えた店舗であれば利用することもできるかもしれないです。
(3)認定ジャッジへの依頼について
DMのCSには認定ジャッジを配属させるか否かの選択肢があります。配属されなかったからといって大会を開催できないという決まりはありません。
認定ジャッジが配属されたCSはDMPランキングの付与ポイント倍率が増加します。通常の規模のCSであればジャッジ無しで1.0倍のポイント倍率が、1.2倍まで引きあがり、優勝者が獲得できるポイントは1,000P→1,200Pまで上がるといった具合です。
認定ジャッジが大会に配属されるとカードの裁定に関する質問やゲーム進行上のトラブルを専門知識と経験を活かして解決に臨んでくださります。
認定ジャッジが配属されていると間違いなく大会が円滑に進み、主催者、プレイヤー共に安心して大会に臨むことができるでしょう。
ちなみに、私はCSを開く際必ずジャッジに配属のお願いをしています。
それでは、認定ジャッジへどのように大会の仕事依頼を行うかというと、残念ながらDM公式には認定ジャッジと繋がることのできるインフラは存在しません。
つまり、個人個人で認定ジャッジへコンタクトを取る必要性があります。
全くコネクションが無い場合は、足がかりとして認定ジャッジが配属されているCSへ参加し接触を試みると良いでしょう。
ジャッジと繋がらず困った際は私にご相談いただく形でも問題ありません。
~大会申請 申請編~
大会の企画を組み立て終わりましたら、次は大会申請に移ります。
大会申請は店舗のアカウントからログインできるDMPランキングの専用ページにて行います。
申請期間は、自分が開催しようと思っている大会の月の前々月上旬~月末までの期間限定となります。
(例)5月に大会を開催する場合は、3月上旬某日~3月末日までに大会情報を送信する必要あり。
専用ページへ入力する情報としては、他の大会がランキングページに載せている大会情報を参考に入力すると分かりやすいかもしれません。
認定ジャッジの情報を入力する際に、ジャッジID又は本名が必要になりますので、必ずどちらかを把握しておくと良いでしょう。
大会情報を発信するSNSアカウントを入力する箇所もありますので、事前に情報発信用のアカウントを作成する必要もあります。
各種情報の入力が終わりましたら申請情報を公式へ送信し完了です。
最近公式からの大会承認にはそんなに時間が掛からず、何事もなければ遅くても1週間以内には承認されるイメージです。待っていても承認されない場合は、店舗のメールアドレスへ公式から大会に関する質問や不備の指摘が届いているはずですので、店舗の方へ確認してもらいましょう。
ここまで全て終え大会が承認されればようやく大会を開くことができます。
~まとめ~
ここまでお読みくださった皆様お疲れさまでした。
本稿では大会申請に纏わる必要事項を紹介させていただきました。
本文が長くなりましたのでCS開催までに行わなくてはならないことを最後にまとめると
①協賛店舗を見付ける
②大会を企画する(日時の調整、会場の確保、認定ジャッジへの依頼)
③店舗から大会申請を行う
以上の3点が重要になります。
CS開催については、行わなくてはならないことや細かなルールが設けられているのですが、公式からは開催のすゝめ的なものが用意されていない為、誰かから教えてもらわないとなかなか開催までこぎつけないケースが多いかと思います。
そんな時に、本稿が少しでも皆様のことをサポートするツールとして機能できれば幸いです。
私のCSに対する考えや体験談についてはこれより下に書き綴り、ご興味のある方がご覧いただけるような形にいたします。
もしご興味がございましたら引き続き下へスクロールいただければと思います。
~CS開催に対する想い~
2019年からCSを開催し続け早くも4年が経過しました。
当時『北海道の競技シーンをもっと色々な人に体験してもらいたい』と思いCS立ち上げを決意しました。
それまで私はプレイヤーとしてCSに参加していたのですが、競技シーン自体は盛り上がっていました。よくある『どこどこの競技シーンを盛り上げたい!』といった意気込みが杞憂に感じる程には賑わっていたと思います(エリア戦があったりプロモカードの価値が高かったり色々な状況がいまと異なったのも1つの要因ですが)。
しかし、参加者層を見ているとどうしても固定の層に絞られていたり、目に見える派閥が存在したりと、新規参入のハードルが高く感じるような閉塞感がありました。
また正直なところ、一部の大会の内容に疑問を持ちながら参加することもあった為、プレイヤーの目線に立ち、北海道の環境全体を変えていきたいという想いからCSを立ち上げました。既に盛り上がっていたので盛り上げたいという気持ちはどちらかというとその次に来ていました。
いま思うとなかなか大きく出ていたなと感じます。
その後、私の大会では競技面に力を入れつつも、普段あまり大会に参加されない層にも興味を持っていただけるようなサブイベントを用意したりSNSを使ったキャンペーンを行う等様々な取り組みを行いました。時には、学割を設けたりもしました。
そして私個人としては"話しかけやすい主催者である"ということを意識し、受付で明るい挨拶を行う、積極的に参加者へ声掛けを行う、その方の特徴を覚え話題提供をする、パーソナルスペースを意識する等、とにかく人との交流を大切にしました。
その後、昨今の北海道の環境がどのように変化したかというと、確実に新規参加者は年々増えています。これが私の影響のみのことだとは決して思っていません。公式の努力であったり他の主催者の協力もありCS参加へのハードルは間違いなく低くなっているのではないでしょうか?
他に北海道の環境がどう変化したのか……についてはあえて言及を避けさせていただきます。というのも、薄々と感じていたのですが年が経つにつれて自分の発言力(影響力)が増してきている…気がするのです。
ですので、あえてここは皆様それぞれに考えていただければと思います。
特に、古くからCSに参加されているプレイヤーの皆様はどのように感じていらっしゃいますか?
機会があればご意見・ご感想をお聞かせください。
~CSを運営する上で大切にしていること~
私の持論にはなりますが、”CSを開催すること自体は誰でも行える"と思っています。
どんな想いを持ってどんなイベントを作りたいのかが主催者毎に色が出る部分ではないでしょうか?
私がCSを開催する上で最も大切にしていることは
『人との繋がり』です。
イベントを開催するには、やはりプレイヤーの皆様からのご協力が必要になります。その為にも、主催者は決してプレイヤーという存在を蔑ろにしてはいけない、私はそう思っています。
私がCS主催となる前は、身内数名とCSに参加し大会に通い詰める内に少しずつ交友関係を広げていきました。そして、CSを開催する頃には交友関係もそれなりに広くなっていました。
CSを開催し始めてからは、これまで広げてきた輪を大事にしつつ、極力様々な方と関わり、CSという場の楽しさをより多くの方に実感してもらうことに注力してきました。
イベントをきっかけにプレイヤー同士の交流が増え、プレイヤー間の輪が広がるのを見ると自分のことのように嬉しいです。
また、イベントを開いていて
「会いに来ました!」「話をしに来ました!」「あなたのイベントだから参加しています」
そう言っていただけると本当に頑張ってよかったなと思います。
自分の努力に対するフィードバックを受けられるって幸せなことですよね。
~参加してくださる皆様へ~
CSを立ち上げた時は過去の経験こそあれどもなかなか上手くいかないことも多く、何度も自分は主催に向いていないのではないかと自問していました。
人の集まりが良くないと自分を否定されたかのような気持ちになることも。
大会内で起きた選手間のトラブルですら自分の責任に思えた時期もあった程です。
悩む日々が続いていましたが、プレイヤーの皆様から「続けてほしい」「一番好きなCS」
など励みになる言葉を沢山いただきそれをモチベーションに開催を続けることができました。
本当にありがとうございます。
これからも様々な形で皆様に感謝の気持ちをお伝えすることができればと思います。
どうかこれからもプレミアムミックスCSに遊びに来ていただけますと幸いです。
~これから大会を開催される方へ~
大会主催者は決して特別偉いわけではありません。偉そうなこと書いてきた割に何を言っているんだといった感じですね。
先程も述べたように大会を開くこと自体は誰でもできます。
大会を開いた上でプレイヤーが自分に付いてきてくれるか…そこで初めて自分の評価が決まるのです。
初めて大会を開催するからこそ、歴が浅いからこそ、低い姿勢で、プレイヤーの皆様への感謝の気持ちを持って大会運営に臨んでいただければと思います。
もちろん一緒に大会を作り上げる運営メンバーのことも大切にしてください。
皆様がより良いイベントを開催できますことを祈っております。